「花粉を水に変える ハイドロ銀チタンマスク」という商品を見た時、自分のような科学リテラシーのない人間は「ほう、すごい技術だな」なんてすぐ騙されてしまうのですが、どうやら水には変わらないようで各方面から異論が噴出しているようです。
丸ノ内線車中の広告が「花粉を水に変える ハイドロ銀チタンマスク」なるもの一色だったので「水に変える」って比喩で言ってんだろうと思いぐぐったら、本当に「花粉、ハウスダスト、カビ等のタンパク質を分解して水に変える画期的なクリーン技術です」って書いてあった……。https://t.co/HXbBt8RC0a— 伊藤 剛 (@GoITO) 2018年3月13日
しかも「「ハイドロ銀チタン®テクノロジー」は、DR.C医薬の代表であり、医師である岡崎成実によって開発された」と書いてあったので、「岡崎成実」でぐぐると……https://t.co/qrJAsuYmSD— 伊藤 剛 (@GoITO) 2018年3月13日
こういう結果が来るわけですね。
さらに「ハイドロ銀チタン」なるものについて知ろうと思い、ciniiで「ハイドロ銀チタン」論文検索をしたら……。https://t.co/lXUTUmpqof— 伊藤 剛 (@GoITO) 2018年3月13日
岡崎成実先生の論文一件のみ。
海老蔵の「花粉を水に変えるマスク」でぶっ飛んだんだが,この国の一流企業が軒並みのダメっぷり。終わってるなあ— こなみひでお (@konamih) 2018年3月13日
「花粉を水に変える」新素材 導入企業相次ぐ
今春時点でミズノ、はるやま商事、ワコール、福助、川辺、タオル美術館、ムーンバットなど採用企業は40社に拡大https://t.co/JA2t7psakE
岡崎成実氏の論文「アレルギー性鼻炎及び花粉症に対するハイドロ銀チタンシート(HATS)の臨床的有用性の検討」— こなみひでお (@konamih) 2018年3月14日
えっと,ナノミクロンてどういう単位なの?掲載した「社会医学研究」という雑誌には,単位という科学技術の根幹に気を遣うレフェリーはいないのかな。https://t.co/jUlQvacJxy pic.twitter.com/ek10VIp0cC
【週間PseuDoctor】【ニセ科学】【社会】「『花粉を水に変えるマスク』なんて、どう考えてもインチキだよ https://t.co/obkBQDTYj1 」:これはまた何と言うか、久々にド直球のニセ科学案件。「ハイドロ銀チタン」で「タンパク質を水に変える」とかもっともらしい事を言ってるけど、そんな事は(続く— PseuDoctor (@_pseudoctor) 2018年3月14日
続き)物理的に不可能。折角だからタンパク質について少し書く。— PseuDoctor (@_pseudoctor) 2018年3月14日
全てのタンパク質に必ず含まれている元素、それはHCON(水素炭素酸素窒素)。何故ならタンパク質は多数のアミノ酸が結合した物質であり、アミノ酸とはアミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)の両方を持っている物質だから。(続く
続き)そして隣り合ったアミノ酸のアミノ基とカルボキシル基から水が取れて結合する(-NH-CO-)事によりどんどんアミノ酸が繋がり巨大分子であるタンパク質が形成される。ここで例えば生体内でタンパク質を分解する時に、HCOだけなら上手くやれば水と二酸化炭素に変換可能。しかしNだけは厄介。(続く— PseuDoctor (@_pseudoctor) 2018年3月14日
続き)下手にHを付けるとアンモニアになってしまうし、Oを付けると硝酸とかになってしまう。なので我々の体内では何とかして不要な窒素を弱毒化しようと苦労した挙句、最終的に「尿素」という物質に変換して尿中に排泄している。故に腎機能が低下したり体内でのタンパク分解が亢進したりすると(続く— PseuDoctor (@_pseudoctor) 2018年3月14日
続き)血液中の尿素が増える。これこそがメジャーな臨床検査項目の一つである「尿素窒素」なのだ。— PseuDoctor (@_pseudoctor) 2018年3月14日
という訳で、窒素が水に変わるなんてのは元素レベルでの転換であり、太陽の中心部か高レベル加速器でも持ち出さないと実現できない。故にデタラメと断言できる。(続く
続き)最後に豆知識。タンパクは漢字では蛋白と書くが、これは「卵白」の事。卵白はほぼ水と蛋白だけで出来ているから。そして漢字の「蛋」は卵を意味する。例えばピータンは漢字で「皮蛋」と書く。— PseuDoctor (@_pseudoctor) 2018年3月14日
考えてみたらマスクで花粉をブロックできれば良いわけで、水に変える必要がないですよね。
普通のマスクを買うことにします。
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